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第3回遅延を防止するプロジェクトスケジュールの策定のポイント

2015.1.13(Tue) 18:15 | プロマネブートキャンプ | pronet

プロジェクトの納期をいかに守るか?

プロジェクトは基本的に「一品物」なので、予測不可能なリスクの連続であり、リスクを無くしすべて計画通りに遂行するのは難しい、というより不可能です!
つまり..いくら精緻な計画を立てても、それが精緻であればあるほど潜在するリスクが顕在化し想定外の問題に直面し、計画はどんどん狂って行くものなのです。そのような「何が起こるかわからない」プロジェクトの不確実性を前提にしたマネジメントが必要になります。

 

まずは遅延しない(遅延の可能性を最小化した)プロジェクトスケジュール作成のポイントを考えて見ましょう。

まずはじめにゴールで達成すべき成果物を全て洗い出します。

その成果の実現がプロジェクトのゴールとなります。

次にゴールに対して必要な前提条件となる作業項目を洗い出してゆく事になりますが、
ここでポイントになるのがゴールから工程を遡る形で必要なタスクを切り出してゆくことです(といってもなれないとそんな簡単な事では有りませんが)。

通常行われるように過去の事例などをスタートから思いつくままに必要な作業を想定してゆくと、結果的にゴールに対して不必要なタスクが(これもやっておいた方が良いかも…)リストアップされがちです。

ここでポイントはゴールから作業項目を遡及してゆくことで、ゴールに達するまでに最低限必要なタスクとタスクのネットワークを明確にすることで、結果的に不必要な作業項目が自然に排除することができます。

次に洗い出された各タスクの作業時間を見積もります。
抽出された各タスクは通常、計画時にある程度のリスクを想定した余裕(バッファ)を持って工数を見積ることになります。
しかしながら各タスクに組み込まれたバッファは「人間の行動原則」により、プロジェクトの遅延を防止することに寄与することはありません。つまり無駄に時間を浪費する結果となってしまいます。
本来のリスクに対応するための余裕工数をどのようにスケジュールに織り込むことができるか、そこがスケジューリング上のポイントになります。

まず各タスク内の工数上の余裕(バッファ)を除去することが重要です。
達成できるかどうか五分五分の日数(リスクを想定しない理想工数)で見積もります。
これは何も工程中に問題が発生しなかった場合に達成可能な理想日としての「チャレンジ工期」となります。
これは作業中になにかあれば必ず遅れることになりますが、逆にうまくゆけば「人間の行動原則」による遅延をうまく防止し、最も理想的な時間でタスクが完了することができます。

ゴールを明確にし、目標達成のために不要なタスクを排除したうえで、個別のタスク作業からバッファを排除します。
その各タスクのタスク間の連携を考慮してネットワーク化することでスケジュールを組み立ててゆきますことで工程表を作成します。

そのときにもうひとつ大切なのは各タスクに要員(リソース)を割当てた上で、同時期の複数のタスクからリソース要員の重複を排除することでマルチタスクで発生する段取り時間を排除することです。

これで「理想的」な工程表が作成できました。

しかしながらもちろんこの「理想的」な工程表は実現不可能です。
この工程表には一品ものであるプロジェクト推進上必ず発生する想定外の課題、顕在化したリスクが考慮されていないからです。
つまり「絵に描いた餅」ということでしかありません。

各タスクから取り外したバッファを集約したものを最終的なゴールとしてのマイルストーンとの間に挟み込みます。
これを「プロジェクトバッファ」と呼びます。

例えばもともとバッファ込みでそれぞれ6日と割当られていたA、B、Cの三つの連続するタスクがあったとして、チャレンジ工期として再割当られた各工程の日数を3日とすると、3×3で9日間のバッファが取り外された事になります。
元々のこのプロジェクトの工期は6×3の18日間に対してチャレンジ工期としては9日間となります。
元々のプロジェクトの工期を前提にすると18日後にゴールとしてのマイルストーンが設定されます。
それに対してチャレンジ工期として見積もった場合は、そのマイルストーンに対して9日間の余裕が生まれることになります。
この9日間が「プロジェクトバッファ」です。
各担当者は設定されたチャレンジ工期の3日間を「目標」として作業を行いますが、その中で当然、想定外の問題に直面し、たびたび遅延が(チャレンジ工期を前提として)発生します。
その遅延分を「プロジェクトバッファ」を消化することで、そこで発生する遅れからゴールとしてのマイルストーンを守ることが可能になるのです。
もちろん問題や課題がプロジェクトバッファを超えるほどの遅延を各タスクで起こった場合はゴールの達成はできません。
しかしながら元々計画のなかで各タスクの中に織り込まれていた「安全に作業を完遂するために用意された余裕」が「人間の行動原則」によって浪費されることを防ぎ、本来のバッファとしての予備工期として活用されることになるのです。
このように「プロジェクトバッファ」という安全装置をプロジェクトに配置することによって、「遅れる事のない(可能性が少ない)」プロジェクト計画を策定することができます。

その計画を推進してゆくためのポイントは?……次回のテーマになります。